検証1.国内生保外交員がアドバイスした将来の経済見落とし
バブル崩壊してからもそうですが、色々な金融機関の内部から生命保険の勧誘をする人達をずっと視て来て感じたことは、「生命保険を販売している人達は、金融や政治経済・社会保障の知識のないお客さんのところに主に行っている。」と、いうことです。
そして御多分に漏れず、バブル崩壊前に国内生保外交員をしていた人達も、金融や政治経済・社会保障の知識のないお客さんに、バブル崩壊直前まで、「日本は、まだまだ上がるよ。どんどんあがるよ。」と、言って契約をさせていました。
ですからバブル崩壊を懸念する声が聴かれるようになっても、国内生保外交員は構わず崩壊直前まで、「日本はまだまだ上がるよ。どんどん上がるよ。」と、断定して有期型の変額保険や養老保険などに資産の全てを乗換えさせていました。
そして結果は、上がるどころかバブル崩壊し日本経済は落ち込んでいきました。
知っておいてほしいこと ・金融商品を扱う者が、お客さんに将来の経済見通しを話す場合には、最低でも証券外務員資格が必要です。
・「経済は生き物」と言われます。 突然、何が世の中に起こるかわかりません。 新型コロナが世界中に蔓延したように人間の人知を超えたことも発生します。 人の手を加えなくともこうした自然災害に因っても市場は変動します。
・ですから国内生保外交員は、「日本は、もっともっと上がるよ。どんどん上がるよ。」と、将来を断定した言い方をしましたが、まともな人であれば将来見通しを話す際に断定した言い方はしません。
・「金融・政治経済の専門家」と言われる、経済アナリストや証券アナリスト・国際アナリストといったアナリストの人達や、エコノミストといわれている人達でさえ将来の見通しを話す際には、断定的な言い方はしません。
・「私は、~と思います。」と、自分の考えである旨伝えています。そして自身の考えが将来を保障するものではない事も伝えています。 そしてなぜそのように思うのか?その根拠も必ず説明しています。
・生保系投資会社のアナリストやファンドマネージャーでも、国内生保外交員がしたような断定的文言で発言していません。
・それだけではなく証券会社では、自身の考え通りの展開に市場がならなかった場合、「案内した商品はこうなると思います。」と、その根拠や原因も説明します。
・このようにして、お客さんが自身の考えで判断しやすいように、メリットだけを伝えるのではなくデメリットも証券会社では伝えています。
・バブル崩壊前に国内生保外交員をしていた人達は、何故日本は上がると思うのか?その根拠も説明していませんでした。 上がることが決まっている断定的発言をしていました。
国内生保外交員は、「上がる」というメリットだけをアドバイスして、自ら銀行に連れて行き、土地を担保に銀行で借金をさせ、お客さんの家の資産の全てを生命保険に乗換えさせていきました。 「もし家の資産全てを生命保険に乗換えて、もし日本が上がらず下がってしまったらどうなる?」と、いうデメリットのアドバイスは一切説明しませんでした。 その結果、家の資産の全てを生命保険にしてしまった、国内生保のお客さんは多大な損失を出しています。 この事について、バブル崩壊直前の国内生保外交員からは、一切説明も謝罪もなく、「お客さんの自己責任」「悪いのはお客さんの方」「いいわいいわ、私は、アメリカのFPという難しい資格試験に合格した生保の優秀なFPだから、心配しなくても良いわ。」と言って、自分が扱っている保険会社の保険なのに納得いく説明を担当者がしてくれないから。」と言って、証券会社に納得いく説明を国内生保のお客さん達は求めて来ました。
・ 最低でも証券外務員資格を持っている人であれば、市場が行き過ぎれば、日銀が市場を安定的に保つよう相場操縦を行うことは知識として知っています。
ですからバブル崩壊前の国内生保外交員がお客さんに教えていたような青天井にはなりません。どこかで修正が入るはずです。
・ではバブル崩壊前の国内生保外交員は、証券外務員資格を持っていたのか?将来の経済見通しをお客さんに語る資格があったのか?視て見ますと、
バブル崩壊は、1989年12月29日の大納会で終値の最高値38,915円87銭をつけたのをピークに翌1990年(平成2年)1月から暴落に転じ、その後9か月あまりで半値近くまで暴落、1993年末には、1989年末の株価の59%にまで減少しています。
ですから国内生保外交員は、1989年12月末よりも以前から証券外務員資格を持っていなければなりません。
生命保険協会と損害保険業協会が、第一種証券外務員資格試験を開始したのは、1994年3月1日とされています。バブル崩壊後です。
そして、登録金融機関(銀行、生・損保等)の役職員等が、一種、二種、信用取引外務員資格試験を受験可能となったのは、2004年の4月からですから、生命保険協会と損害保険業協会よりも後に証券外務員資格を取得しています。
・所謂、バブル崩壊前に国内生保外交員をしていた人達は、証券外務員資格が無いのにさもあるように、「日本はまだまだ上がるよ。どんどん上がるよ。」と、金融知識も政治経済の知識も社会保障の知識もないお客さんに嘘の見通しをしていたのです。
・嘘の見通しを信用した生保のお客さんはどうなったのかと言いますと、現金化できるものは全て生命保険に乗換えていましたから、株で損失を出していた個人投資家よりも、国内生保のお客さんの方が損失額大きかったです。
・生保のお客さんが、全財産を生命保険にした背景には、各金融機関のセーフティーネットで、嘘の説明をしていたことも要因です。
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社会保障では勉強させて頂いています大阪の社労士の先生です。
過去に社会保障審議会・国民会議にいらした先生です。